政府、ウイグル弾圧資料に言及せず ジェノサイド条約や人権制裁法にも消極的

政府は新疆ウイグル自治区の人権状況に深刻な懸念を示す一方、公安当局から大量流出した内部資料については「コメントは控える」(松野博一官房長官)と踏み込んだ言及は避けている。政府高官は「現地の状況を調査するすべがなく、客観的に事実だと証明するのが難しい」と明かす。 欧米諸国は、中国政府のウイグル人に対する扱いを「ジェノサイド(集団殺害)」と非難する。ある自民党議員は「中国の人権弾圧は明らかだ。政府の発信はあまりに弱い」と語る。与野党の国会議員有志は政府に対し、集団殺害などの防止や処罰を定めた「ジェノサイド条約」への批准の検討を求めているが、具体化に向けた機運はない。 重大な人権侵害行為に制裁を科す「人権侵害制裁法(日本版マグニツキー法)」も未整備の状態が続く。「対話」と「協力」を基本に、相手国に改善を促す日本の人権外交にはなじまないとの判断からだ。先進7カ国(G7)で人権侵害への制裁法を持たないのは日本だけとなっている。 岸田文雄政権は昨年11月、人権問題担当の首相補佐官を新設した。ただ、期待された中国の人権問題に対する具体的な成果は出せていないのが実情だ。

転載https://www.sankei.com/article/20220703-XYLLOUIRAJMRRDELNHR7WJ2Y7Q/

0コメント

  • 1000 / 1000